無人施工での差筋挿入
本来、砂防堰堤の腹付コンクリートの施工に置いては差筋を行い、本堰堤と定着させることとなっていますが、これまで、無人施工では差筋を挿入することは困難でした。
当該工事では、一般的な建設機械・工具を組み合わせて差筋挿入機を製作しました。これを無人バックホウに取り付け、リモコン操作で差筋挿入を実施しました。
差筋挿入機状況
差筋挿入機の仕組 |
無人バックホウ(0.8級)に差筋挿入機を装着する。
尚、バックホウの背中に35馬力コンプレッサーを積込むコンプレッサーにはストップバルブ付き。
1.初めに、アンカー筋設置箇所にD25L=1.00mの鉄筋を10本程度装着する。(施工時、無くなり次第無人エリアとの境に戻り新たに装着する)
2.無人バックホウのエンジン始動時に、背中に積んだコンプレッサーのエンジンも始動する。遠隔操作にて施工箇所まで向う。ストッパーバルブ付きなので操作しない限り削岩機は動かなようになっている。
3.削孔箇所にバックホウを向わし、既設堰堤に前部にあるオレンジ色の爪を当てる。
4.削孔準備が出来次第、操作機にて油圧シリンダー①を赤い矢印方向に動かすとストップバルブの弁が開きエアーが送られ削岩機が始動する。(削岩機は通常使用する手持削岩機を使用している)
5.操作機ににて削孔状況を確認しながら、徐々にシリンダーを前に送り削孔を進めていく。
6.今回は削孔長を50cmに設定してあり油圧シリンダー①が②の箇所までスライドすると50cmの削孔が完了となり操作機にて削岩機を元に位置まで戻す。
7.削岩機が元の位置まで戻った時点で、③箇所にあるスイッチを押し、削岩機が止まる仕組みとなっている。
8.削岩機が元に位置に戻って時点で操作機で赤い矢印方向にスライド移動させる。
9.横スライドすると④の箇所のアングル部分が削孔した穴に向う。
10.横スライドをした時に、⑤の扇形箇所が赤矢印方向に反転し切込み部分に入った鉄筋を④のアングル箇所に設置する。
11.横スライド完了後、油圧シリンダー⑥がアングルの上に乗ったアンカー鉄筋を押し込む。